スマホ使用時の約束を守らない中1の息子

 スマホ使用時の約束を守らない中1の息子

 中学生になって初めてスマホを持たせたら、さっそくスマホゲームにはまり、勉強も手につきません。購入前の約束も守れず、反抗的な態度の息子に、母親としてどう接していけばよいでしょうか。

 

本日の回答者

元公立中学校教師

鎌倉 弘行

 

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A スマホを持たせたいきさつは、どんなものだったのでしょうか? 中学生になったから、他の友だちも持っているから、あるいは部活動で遅くなったときに便利だからとかいったところでしょうか。

 

東北大学の川島隆太教授が仙台市を中心に調査をしました。3年間継続して200人以上の子供を追跡調査したそうです。年齢は5歳から18歳です。その結果、毎日スマホを使う子は、脳の発達が止まってしまうことが分かったとのことです。また、いくつものアプリを使っていると、集中力が途切れてしまい、一つのことをやり遂げることができなくなるとも言われています。

 

脳の前頭前野が壊されて、我慢することや先を見る力が衰えて、衝動的になってしまうということも報告されています。もちろん、成績は下がります。

また、スマホを開発したアップルのスティーブ・ジョブズや、マイクロソフトのビル・ゲイツは、危険性が強いからと、自分の子供には持たせなかったようです。スティーブ・ジョブズは、家族団欒の時に、偉人の話や歴史について話していたようで、2人ともコンピュータも時間の制限をかけて、それ以上は使わせなかったそうです。

 

SNSを使った犯罪も近年騒がれています。学校で面と向かって話していれば笑い話で済むことが、SNSへあげたことで、いじめであったり、仲間外れであったり、と様々な問題に巻き込まれてしまうことが多くあります。

 

私も中学校で生徒指導係をしていました。その時に、ある家から「うちの子がいじめられている」との訴えがありました。よく聞いてみると、親が与えたスマホのSNSに友だちのことを軽い気持ちで書いたのです。それを読んだその友達が、悪口ととって返事を書いたそうです。

 

そこから、あっという間に多くの人の眼にさらされることになり、「私はいじめられている」という訴えになったのです。

 

関係者に話を聞くと、最初のSNSに問題があり、話を聞く会を設けて一応の解決はしました。しかし、いじめていると言われた子供も、保護者も、私も納得できるものではありませんでした。これ以上この問題に関わりたくないと、気持ちを抑えたのでしょう。

 

また、ある子はSNSでつながった成人男性に、誘われて県外まで行き、大騒動になったこともあります。子供がどこにいるか分かるから便利だと言って、スマホを買い与えていますが、お母さんに位置が分かるということは、全世界の人にもお子さんが今どこにいるか分かるということです。

 

便利であるものは、逆に非常な危険と直結しているのです。 オーストラリアでは、法律で未成年のSNSを禁止しようとしています。かなり高額の罰金が課せられるようです。 谷口雅春先生は次のようにおっしゃっています。〈人間を不幸にするものはわがままである。わがままは他を不幸福にするばかりではなく、自分自身を不幸にする。(中略)彼は誰かに迷惑をかけるために自己虐待をしているのである。(中略)時間を大切にするということは命を大切にするということである〉(新編『生命の實相』59第76巻~78頁)

 

ここで私が言えることは、ルールを守らなければすぐにスマホを取り上げてしまうこと。お子さんは、もちろん反抗するでしょうが、それはわがままです。本来もっている神の子としての力を出すためにも、親として毅とした態度を見せることが必要です。教育は時に鉄槌を下すことも、子供のためには必要なのです。

 

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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和7年2月号に掲載しています。本記事以外にも「娘が学校で人間関係に悩んでいる」、「勉強と部活の両立に悩む中二の息子」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!


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