高校に入って思春期 を迎えた息子

 

 高校に入って思春期を迎えた息子

 

 高校1年になる息子ですが、中学時代の素直な性格はどこへ行ってしまったのかと思うほど急変してしまいました。母親とはすっかり口をきかなくなり、どう接していけば良いのか悩んでいます。

 

 

本日の回答者

元公立中学校教師

鎌倉 弘行

 

 

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「親になることは簡単だが、親であることは難しい」という言葉があります。

私たちは子供のお蔭で親としての勉強をさせてもらっているのですね。子供の成長に合わせて、親としての振る舞いも、意識も変えていかないと、親としての成長(人間としての成長)が止まってしまいます。

 

 

ひとりの人格として、神さまの使命をうけた存在として、子供の成長を見守っていくことが大切ではないでしょうか。ご相談のお子さんですが、男の子として正常な発達成長をみせています。「母親とは口をきかなくなった」とありますから、お父さんとの話はふえているのではありませんか。

 

 

母性から父性へ、包み込む優しさから闘う厳しさへ、守られる存在から守る存在へと、段階を進めているように思います。お母さんには、一番辛つらく悲しい時期かもしれません。見守ることしかできない親の愛や哀しさを、「子を持って知る親の恩」と言い伝えてきたのでしょう。

 

 

お子さんは、自分の進むべき道へ一歩、自分の足で歩み出したのです。これが自立への第一歩です。これからは自分の使命を探しながら、自分の力で未来を切り開いていくという意思表示をしている段階でもあります。けれど、お母さんをないがしろにしているわけではありません。逆に、お母さんは今、とても大切な存在なのです。うるさいと思える母がいての、自分であることも自覚しています。
私の教え子の話です。

 

A男は中学3年生。お母さんとはほとんど話しません。「うるさい、黙って」がたまに出る言葉です。ある日、お母さんが言われたとおり黙っていました。何を言われても沈黙です。すると、なぜ無視するのか、と言ったそうです。黙っていろと言ったり、無視していると言ったり、面倒くさいったらありゃしない、とお母さんは笑いながら話していました。

 

 

思春期の男の子は言うことが一定していません。そこで、一喜一憂しないことです。「成長、成長」と笑いながら言ってやると、照れくさそうな顔をします。
口をきかなくても、いつも通りのお母さんで、いつも笑って明るくしていると、子供は落ち着きます。あと2年もしたら、たくましくなったお子さんが、お母さんの手助けをしてくれるようになります。

 

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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和5年10月号に掲載しています。本記事以外にも「高校の受験でいらだつ息子」、「遊びと勉強の切り替えができない」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!

 

 

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